前回は背骨全体から見た猫背(胸椎)の特徴を見てきましたが、今回は猫背が引き起こす症状についてもう少し深く考えてみましょう。
【前回の記事】
→「猫背」を治すには…①:猫背はなぜ起こるのか?
『猫背が引き起こす肩コリ・首コリ』について
肩コリ、首コリに悩まされる方は非常に多いですよね。パソコンでの作業やスマートフォンを頻回に使用していると、どうしても頭はうつむきがちになるので肩コリや首コリを引き起こしやすくなります。
肩や首が凝ってきたな…と感じたらその場で、肩や首を動かしてコリをなくしておくことが重要です。
今回はそのような肩コリ・首コリと猫背との関係性を見ていきます。
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猫背は肩甲骨も胸椎も動きを悪くする!
猫背の方は背中が丸いのは周知の通りですが、背中が丸い方の姿勢をよく見てみると肩が前に突き出ているように見えませんか?
胸椎が丸くなると、肋骨の丸みに合わせて肩甲骨が前外側へ引き出されます。
すると肩甲骨の先端に付いている肩が前を向きこのように見えるのです。
つまり、猫背で背中の丸い方は、縦(上下)方向に背中が丸くなるだけではなく、横(左右)方向にも丸まってくるのです。
肩が前に出ると胸の前の筋肉は常に縮んた状態となり、次第に筋肉が伸びにくくなっていきます。
すると肩甲骨を後ろへ引いて胸を張るような動作をすることが困難となってきます。
前回の記事にも記載しまししたが、背中の丸い姿勢は胸椎の動きを妨げます。
これに胸の筋肉が硬さが加わると、さらに丸みを増し胸椎そのものもどんどんと硬さを増していくという悪循環に陥ってしまいます。
猫背が引き起こす姿勢のメカニズムとは?
胸の上にしっかりと頭があれば、筋肉をそれほど働かせなくても良いので楽に姿勢を保ちやすいのですが、
胸椎が丸く硬くなると、頭が前に出てしまいます。
するとその頭を支えるために首の筋肉を強く働かせなくてはいけない状態に陥ります。
どういうことかというと…
一緒にやってみましょう!
①身体をまっすぐに起こした姿勢の状態で、首は動かさずに背中だけ丸くしてみてみましょう。
②すると頭がうつむき目線が下を向きます。
③そのままでは前が見えないので、頭だけを持ち上げて前を向こうとしてしまいます。
するとどうなるかというと、頭を持ち上げ前を向くために首の筋肉は常に働き続けないといけない状態となってしまうのです。
猫背の方はよく顎が前に突き出ますが、このようなメカニズムによるものが主です。
猫背は首にも腰にも悪影響を及ぼす!
背中(胸椎)の硬さによってこのように顎が前に突き出てきますので、ただ顎を引いて頭の位置を戻そうとしてもうまく引けないのです。その状態で何とか顎を引こうとすると…
腰を反って身体を起こして、顎を引いた(ようにみえる)姿勢を作ってしまいやすいのです。
するとこのような姿勢をとってしまいやすくなります。
↓
『女性に多い姿勢』というタイトルで以前に記事を書きましたが(リンク)、男性でもこのような姿勢の方は少ないわけではないのです(ただ女性のほうが多いような気がします)。
単なる猫背の方も、姿勢①のような方も、肩甲骨を不適切な位置で支えるために肩コリを引き起こしやすくなり、前方へ突き出した頭を支えるために首コリを引き起こしやすくなるのです。
少々複雑ではありますが、姿勢はカラダが引き起こす症状としっかりとつながっているのです。(つづく)
次回は、
→ 「猫背」を治すには…③:なぜ肩コリと・首コリが頭痛を引き起こすのか?
についてまとめていきます。
お楽しみに♪
滋賀県大津市石山のリハビリ整体院
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也