前回までは猫背という姿勢が肩コリ・首コリにどのようにつながっていくのかを、簡単にまとめてみましたが、今回はそれを頭の方にまで結びつけて考えていきたいと思います。
【前回までの記事】
→「猫背」を治すには…①:猫背はなぜ起こるのか?
→「猫背」を治すには…②:猫背が引き起こす肩コリ・首コリ
今回のテーマは『肩コリ・首コリが引き起こす頭痛』についてです。
CONTENTS
頭痛というと、頭だけが問題と考えておられる方は多いのではないでしょうか?
肩から首、頭へと姿勢と筋肉(筋膜)のつながりを辿っていくと、その根本に潜む原因が見えやすくなってきます。
なぜ肩コリと・首コリが頭痛を引き起こすのか?
慢性頭痛の主なタイプとしては「緊張性頭痛」「片頭痛」「群発性頭痛」の3つがあるなかで、日本人の頭痛もちの7割が「緊張性頭痛」だと考えられており、すべての頭痛の中で最も多いと言われています。
『緊張性頭痛』とは、身体的ストレス、精神的ストレスが原因となって出現することが多いとされていますが、その大部分は身体的ストレス、つまり”同じ姿勢を続けていることで起こる筋肉の凝り”が原因です。
首の後ろの大きな筋肉には「僧帽筋」「頭板状筋」「頭半棘筋」の3つがあり、このうち頭半棘筋が凝り固まってしまうと、頭半棘筋を貫いている『大後頭神経』が圧迫され、その神経が支配している後頭部に痛みが生じるのです。
首コリを引き起こしやすい「ストレートネック」
前回の記事で猫背が引き起こす肩コリと首コリのメカニズムを簡単に記載しました(リンク)が、首の部分をもう少し詳細に見ていきます。
首コリや頭痛を引き起こしやすい人の特徴として、「ストレートネック」という首の状態が挙げられます。本来の首の彎曲がなくなり、首がまっすぐになってしまっている状態です。
下の写真をご覧ください。
背中を丸めてノートパソコンを見るといったうつむいた姿勢で長時間作業をしていると、常にこのような姿勢となってしまいます。
すると首から頭まで真っ直ぐ一直線のままの「ストレートネック」になってしまうのです。
この姿勢が日常的となり猫背から抜け出せなくなると、頚椎をうまく反らせて(弯曲を作って)頭を持ち上げることが困難となります。
するとどのようにして頭を持ち上げるのかというと…
頭の真下の頚椎(第1・第2頚椎あたり)だけで頭を持ち上げようとしてしまうのです。
ちょうどこの部分に頭蓋骨・第1・第2頚椎の動きを担う筋肉である「大後頭直筋」「小後頭直筋」「上頭斜筋」「下頭斜筋」の4つが深層にあります。これらの筋に過剰に負担をかけ、この部分でのコリを強めていきます。
首のコリは先ほど挙げた首の表層の筋肉だけではなく深層の筋肉も非常に大きく影響しています。
このような姿勢を続けていると、首コリは深層から表層まで日に日に強まり、神経を圧迫して頭痛まで出現させてしまうのです。
この状態から抜け出すために、首のコリを解消し、猫背を改善させていくことの重要性が見えてきますよね。
姿勢は本当に大切です。
(つづく)
次回は、
→ 猫背を治すには…④:猫背とうつむき姿勢が引き起こす多彩な症状
についてまとめていきます。
お楽しみに♪
滋賀県大津市石山のリハビリ整体院
カラダ Design Lab.
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堤 和也