完全に伸びない膝を伸ばそう!《その2》はこちら
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膝を押しても、押しても、膝が伸びきらない…
押しても跳ね返ってくるように膝がわずかに曲がってしまう…
こんなお悩みをお持ちではありませんか?
実は先日、こんな悩みを抱えた体操をしている小学生にお越しいただきました。
体操ではこの膝の伸びが得点に影響してくるのです。
なぜこのような状態になるのでしょうか?
まず下の2つのストレッチをしてみてください。
ふくらはぎ、太もも裏の硬さはありませんか?
① アキレス腱を伸ばすストレッチをしてみましょう。
ふくらはぎが強く伸ばされて痛みませんか?
次に、
②脚の付け根を深く曲げながら、立位体前屈をしてみましょう。
太ももの裏がピンと突っ張って痛くありませんか?
もしかするとこの2つの現象が膝を伸びにくくさせている原因かもしれません!
その理由を、
膝の動きに関わる筋肉の解剖学的な構造から考えてみましょう!
膝の裏側の筋肉の構造を知ろう!
膝の裏側には、膝を曲げる働きをする筋肉が沢山あります。
膝を曲げる筋肉が硬くなると、膝を伸ばすときの邪魔をします。
これは簡単に理解できますよね。
では詳細に膝の筋肉を見てみましょう。
(膝裏の筋肉の位置関係を模式的に表したものです。)
※図の大腿筋膜張筋の付着する位置に間違いがありました。脛骨前面のGardy結節です。申し訳ありませんでした。(ページ下方に出てくる画像も同様です)
膝の関節をまたぐ筋肉はこれだけあり、これらの筋肉全てが膝を曲げる作用があります。
この中で膝だけをまたいで存在する筋肉は「膝窩筋」と「大腿二頭筋短頭」しかありません。
その他の筋肉はというと、
緑系の色のついた筋肉は、股関節をまたぎ、
赤系の色のついた筋肉は、足関節をまたいでいるのです。
つまり、
膝の動きだけでなく、股関節や足関節の動きにも関わっているということです。
だから、
「股関節・足関節の関係性を無視して、
膝だけをグイグイ伸ばしていても伸びない!」
のです。
先ほどチェックしてもらったストレッチだけで膝が伸びるようになればそれで良いのですが、これだけではなかなか改善がみられない場合があります。
ストレッチだけで膝が伸びない場合はどうすればいいの?
先ほどの図をもう一度見てみましょう。
ふくらはぎの筋肉と、腿裏の筋肉が交差しているのがわかりますでしょうか?
そう、
もも裏の筋肉の下にもぐりこむ様に、ふくらはぎの筋肉が存在しているのです。
この部分は筋膜同士のつながりも強く硬くなりやすい部分でもあります。
ふくらはぎの筋肉ともも裏の筋肉が手をつなぐようにがっちりと絡み合っているのです。
腓腹筋と腿裏の筋肉(主にハムストリングス)そのものの柔軟性を引き出しながら、この絡み合った部分の柔軟性も同時に引き出していく必要性があります。
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ー2020/11/12追記ー
関節の可動域は、筋肉だけで決まるものではありません。
現在、関節可動域の制限の原因として、faciaの癒着が注目されています。
上記のように筋肉同士の間で癒着が生じることもありますが、それだけではなく、皮膚と筋肉、筋肉と靭帯・関節包、筋と骨(骨膜)などとも癒着が生じることがあり、これらの癒着を取り除くことも可動域を改善させていくために必要となります。
当店では、これらの癒着の存在も見出しながら可動域の改善を図っていきます!
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是非、先ほどのストレッチだけで改善が見られない場合はご相談くださいね。
施術を通して、しっかりと伸びる膝に変えていきますよ!
カラダと姿勢・動きをデザインする。
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也
@滋賀県大津市瀬田駅前