今回は実際の患者さんに対するアプローチをご紹介します。
後ろ向きに歩いている時に足を引っ掛けてつまずき、舟状骨・内側楔状骨周辺(土踏まずを作っている骨)の靭帯の捻挫を受傷された方です。
現症:
・舟状骨の内下方への突出
・舟状骨・内側楔状骨周囲の圧痛(特に舟状骨周囲に著明)
・舟状骨・内側楔状骨周辺の軽度腫脹+、熱感はわずか、発赤-
・踵骨の回内・外では疼痛-
・中足部の回内で疼痛++
・前足部内転・外転方向への誘導で疼痛++
・母趾球に抵抗を加えた状態での足関節底屈運動で疼痛++(中足骨頭の底屈方向の誘導で疼痛軽減)
・母趾球以外で抵抗を与えた場合の疼痛は軽度
etc…
今回行なったテーピングがこれです。
(すべて貼った後の写真でわかりにくくて申し訳ありません。)
①舟状骨・内側楔状骨を下方から持ち上げ、突出した舟状骨を引き上げるようにYの字に切ったキネシオテープを2枚
②荷重時の痛みを減らしつつ、母趾球への荷重を促すようにキネシオテープを1枚
(母趾球での皮膚の皺は今回の反省点です…母趾を背屈させて貼るべきでした)
③テープが剥がれないように非伸縮性のテープで固定
(2〜3日装着し続けておく必要があったため)
この①〜③のテープを貼付しています。
上から順に
[テーピングなし]→[①のテーピングのみ]→[①+②のテーピング]
での歩き方の変化を下記に示します。
<足の外側から見た図>(右から左へ)
<足の内側から見た図>(左から右へ)
テーピングなしでは、ほぼ「かかと歩き」に近い状態であり、中足部(足の真ん中辺り)まで荷重がかかっても、小趾側にしか荷重が載せられず足部外側にも痛みが出現していました。
テーピングにより歩行時の痛みは大きく改善しただけではなく、つま先へ体重を載せることができ、母趾球への荷重が滑らかになることで、このように歩き方も改善しました。
(写真ではわかりませんが、歩行速度もかなり速くなります。)
テーピングなしでは十分に歩けないので、いつもLab.に来る直前かLab.に来てからテープを剥がしていただいています。
自分でテーピングを貼るのはなかなか難しく、2〜3日に一度来店いただき、貼付方法の指導とテーピングの貼り替えを現在も継続中です。
痛みは徐々に軽減してきているので現在(1週間程経過)は①のテーピングだけでも歩けるようになってきました。
今回は土踏まずを形成する要(かなめ)となる部位での受傷であり、競技復帰へ向けて今後の方向性も検討していかなくてはなりませんね。
カラダ Design Lab.で実施するテーピングは、単に傷めた靭帯をサポートするだけではなく、痛みなく(or 少なく)動けるようになることを目指して貼り付けます。
同時に自分でも貼れるようになるために、貼付方法の指導なども並行して実施しております。
痛みの状態や痛みの出現する動作などを詳細に確認した上で、痛みの出ない動きを作れるようテーピングの方法をその都度考案し、実際に効果を確認しながら貼付していきます。
捻挫など靭帯を損傷したことによる痛みを抱えたままの方、テーピングがうまくいかずお悩みの方は是非ご相談ください。
滋賀県大津市石山のリハビリ整体院
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也