こんにちは。
カラダ Design Lab.代表の堤和也です。
さっそくですが、
皆さん、全身の筋肉を満遍なく使えていますか?
常日頃から、カラダの痛みなど不快な症状にお悩みの方と接していると、
あまりにも偏った使い方をしている方が非常に多いことに気がつきます。
「立ってるだけ、座ってるだけでもしんどいでしょ!」
「そこばっかり使ってたら、そりゃ痛くもなりますよ!」
と言いたくなるような人たちです。
「ブラック企業の社員」のように、
毎日残業ばかりで休む間も無く過剰に働かされ続けている筋肉。
「ニート」のように、
日頃ほとんど働くことなく引きこもってばかりいる筋肉。
先ほどのような方々は、
この二つの両極端な働き方をしている筋肉ばかりがカラダの中に混在しています。
筋肉の本来あるべき姿とは、
「フレックスタイム制?」のように、働くべき時だけ働き、働く必要のない時にはしっかりと休む筋肉です。
では、なぜ筋肉がブラック企業社員化、ニート化してしまうのでしょうか?
その理由を一緒に考えてみましょう。
筋肉に力を入れっぱなしにしていると、それは「コリ」に変わる。
「コリ」は、筋肉に力が入った状態から抜け出せなくなった時に起こります。意図しない筋肉の異常収縮状態です。
常日頃から、同じ筋肉ばかりを働かせて姿勢を保っていたり、動いていたりするとこのような状態に陥ります。
これが先ほどの「ブラック企業社員化された筋肉」ですね。
筋肉を全く使っていないと、それは「たるみ」に変わる。
逆に、ほとんど働くことのない筋肉があると、今度は本当にその筋肉の働きが必要となった場面でもうまく働いてくれなくなります。収縮させないといけないはずなのに、その術(すべ)を知らないといった状態ですね。
いつの間にやら働き方を忘れてしまったから、もう働きたくない。
そんな筋肉です。
どんどんたるんで行きますよね。
これが「ニート化された筋肉」です。
筋肉って触れるとどんな状態がいいの?
硬い筋肉
柔らかい筋肉
ハリのある筋肉
締まりのない筋肉
押すと痛い筋肉
押すと気持ちいい筋肉
押しても痛くもなんともない筋肉
など他にも色々な状態がありますが、目指すべき筋肉の状態とは、
力を抜いている時には、
ふにゃふにゃに柔らかく、
押しても痛くも気持ち良くもなく
かつ、
力を入れた時には、
しっかりと固くなる
そんなメリハリのある筋肉です。
「働くべきとき」と「働かなくてもよいとき」をしっかりとわきまえている。
これは筋肉単独の問題ではなく、
筋肉の働きを引き出す『姿勢』や『動き』が大きく影響しています。
力を適度に抜くには軸、骨で立つことが必要
立位であれば、
くるぶしの上に骨盤、その上に胸郭、その上に頭部が載るように、うまく積み木が積み重なるような姿勢がとれていれば、骨で立つといった状態に近づき、
(※うまく姿勢を調整するポイントは他にもいくつかあります。)
ガシッと力を入れて身体の塊にして姿勢を安定させるのではなく、
適度に脱力しながら、必要な部分に適切なタイミングでだけ力を入れてバランスをとるようになるので、わずかに揺らいだ状態になります。
すると、特定の筋肉に負担が集中することがなくなるので身体への負担は非常に少なくなるのですが、
先ほどの、「立っているだけ、座っているだけでもしんどいでしょ!」というような方々は、
ガシッと力が入って体重が載る部分(立位では足の裏、座位ではお尻)に対して、その上部に位置するカラダが、前後左右にずれてしまい、筋肉が過剰に働く状態が強いられています。
(位置がずれたから筋肉が過剰に働く場合と、筋肉が過剰に働きすぎてずれている場合と両方あります。)
例えば、前後方向の姿勢の崩れでいうと
お腹を前方へ突き出せば、
逆に胸部が後方へ飛び出し猫背のようになりやすく、
反対にお尻を後方へ突き出せば、
逆に胸が前方へ突き出し反り腰が強まりやすくなります。
これが側方(横方向)で起こってくると、
「側弯」
という状態になってくるのです。
姿勢をうまく調整できるセラピストがいない!?
先日、股関節周辺の痛みが長年続き、
整形外科を多数受診するも、受診する場所によって変形性股関節症だとか、そうではないとか、少し臼蓋形成不全気味だとか、いや関節唇損傷の疑いがある…など診断がころころ変わり、結局ははっきりとした原因がわからない。
さらに15以上の整体院なども回るものの、適切なアドバイスがもらえず、
症状も変わらない…
だんだんと不安が募り、心療内科を受診するような状態にもなってしまわれていた方がお越しになられました。
お話をお聞きし、姿勢をチェックしてみると…
なんてことない(というと失礼ですが…)、太ももとお尻、背中にガチガチに力を入れた姿勢をとっておられたのです。
触れただけでもガッチガチ。
これらの筋肉がブラック企業社員化され、逆にお腹まわりについてはニート化されていました。
このように、胸を張って背筋を強く伸ばした「気をつけ」の姿勢は、見た目にはいい姿勢に見えても、身体にとっては非常に負担の大きい姿勢なのです。
(実際に、先ほどの写真を見て、いい姿勢だと思った方は多いのではないでしょうか?)
この状態から、身体の力を抜きつつ、軸を築き上げるように立位姿勢を作ると次のように変化します。
自然と力が抜けて、かなり楽そうですよね。
単純に脱力するわけではなく、ポイントが押さえられていれば姿勢は悪くなりません。
この方は、
「今までこんなに楽な姿勢をとったことがない」
「こんなにも筋肉に負担をかけるような姿勢をしていたのかと初めて気付いた」
とおっしゃっていました。
そうです。
本当に良い姿勢は、「楽」なのです。
「いい姿勢にしなきゃ!」とがんばってしまっている、あなた。
もっと力を抜いたほうが、心も身体も楽で、魅力的ですよ♪
カラダと姿勢・動きをデザインする。
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也
@滋賀県大津市石山