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手を伸ばす・手を引き寄せる
といった動作での肘の動き。
リハビリの世界で「リーチ動作」なんて言ったりしますが、
このリーチ動作に伴う肘の動きを、肘だけ、もしくは肘をメインにしてコントロールしようとすると、筋緊張が無駄に高まりやすく、努力性の動きがかなり強まります。
日常的な肘の屈伸の動きには、同時に上腕の内外旋と前腕の回内外が必ず伴うことを忘れてはいけません。
(より遠位・近位の動きも付随することは言うまでもありません。)
『脇』の状態(締まり具合など)で肘の「位置」が決まり、
『手』をどこに持っていくかによって、肘の「角度」は自然と定まります。
ということは、
脇と手の動きをコントロールできれば、肘の動きは自然と引き出されるようになるということ。
上肢における「肘」と下肢における「膝」に求められる機能は非常に似かよっており、
もともと四足歩行から二足歩行に進化したことを考えれば当たり前の話。
膝が「結果」の関節と呼ばれるように、肘も「結果」。
一度考えてみてください。
手を伸ばしたり、引き寄せたりするときに、
「肘を曲げよう・伸ばそう」なんて健常であれば誰も考えていないはずです。
代償動作は、必ずしも抑制すべきものではなく、それが適切な動きの連動性の中にあれば、むしろ積極的に引き出していくべきもの。
(代償をすべて抑制しようとする考え方は、ROM-t[関節可動域測定]、MMT[徒手筋力評価]の弊害としか思えない…)
他部位との関連性を無視して、単純に肘を伸ばすだけ、曲げるだけの動きができたとしても、その動きは日常生活動作には活きませんよ。
カラダと姿勢・動きをデザインする。
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也
@滋賀県大津市石山