前回の続きです。
前回の記事はこちら
→ 介護職の方に対する「腰痛予防対策講座」①
今回実施した『腰痛予防対策講座』では、
「腰痛が起こったらこうしなさい!」
「こういう介助方法であれば腰を痛めない!」
というような単にその場限りの方法論をお伝えしたわけではありません。
「腰痛を引き起こさないための土台となる身体づくりを行い、
普段の生活や仕事中のカラダに対する意識を高めていくこと」
を大きな目的としてお話&エクササイズを実施させていただきました。
写真に写っている方以外にも身体がカタイ方、すでに腰痛持ちの方が結構おられましたね…
お伝えした内容は、もちろん腰痛が生じた場合にも効果があるものばかりですが、腰痛が起こる以前から普段の身体を良い状態に保つことこそが重要なのです。
そのためにも普段からエクササイズに取り組むことを大前提にお話を進めさせていただきました。
具体的な内容としては、
・硬い身体は腰痛のもとになる!
・硬い筋肉を「緩める」+「ストレッチ」で取り除く!
・腹筋を働かせられる良い姿勢を作ろう!
・骨盤・股関節をうまくコントロールして、腰を傷めない身体使いを手に入れよう!
こんな感じです。
実際の介助場面で考えてみましょう。
例えば、車椅子に座った方の立ち上がりを介助する場面を考えてみましょう。
(写真はイメージです。この方法を推奨しているわけではありません。)
腰を低く落とせますか?
この際、しっかりと身体を近づけ、介助者自身の重心位置を介助される方の重心位置に近いところまで身体を引き下げていく必要があります。
このとき身体が硬く、腰を十分に落とすことができなければどうなるでしょうか?
介助者と被介助者の重心位置が離れてしまうため、その分だけモーメントアームが長くなり、動かそうとすると大きな力が必要になってしまいます。
これだけでも身体を痛めるには十分な負担の大きさです。
どこ筋肉を使えばいいの?
ではうまく身体を近づけることができれば、介助者はどこの筋肉をうまく使いこなせばよいのか?
「太もも」、「お尻」、「お腹」がその大きな主役となり、この部分をうまく使えるためには、股関節・骨盤・腹部をしっかりと機能させる必要があります。
その上で力を全身に分散させていけるとよいのですが、これらがうまく使えていない、使い方がわからないと、負担は背骨、特に腰へを集中してしまうのです。
筋肉に頼りすぎるのも良くない。
そして、筋肉を適切に使わないといけないのは今述べた通りですが、筋肉だけに頼りきっているのも実は良くないのです。
ではどうすればよいのか?
介助者自身の重心移動をうまくコントロールできることが身体への負担を減らす大きなポイントです。
「言うは易く行うは難し」ですが、これだけで筋力以上の力を伝えることが可能なのです。
自分の重心位置が捉えられるようになると、対象者の方の重心位置も捉えやすくなります。
ここまでで、
・腰を落とし、身体を密着させられるだけの柔軟性
・適切な部位の筋肉をうまく使いこなすこと
・重心移動をうまくコントロールすること
を挙げてきましたが、これらをうまく実施できるかどうかは、介助者自身の身体状況に大きく依存するのです。
「楽に介助できる土台となる身体づくり」が必要!
つまり「身体が硬い」、「身体の使い方がよくわからない」では、どれだけ介護技術を学び知っていようが、その技術も使いこなせないと結局「腰痛へまっしぐら」となってしまうのです。
もちろん、身体への負担を減らす方法はこれだけではなく、他にも
・いかに対象者さんの動きをうまく引き出すか、
・持ち上げずに、水平に平行移動すること、
・対象者の方に合った車椅子とベッドの配置の方法 など
色々細かなコツはあります。
しかし何度もお伝えしているように結局は、介助者自身の身体をしっかりと「介助できる身体」へと作り上げていかなくては腰痛を引き起こすのは時間の問題です。
そうならないためにもしっかりと身体をケアしていく必要があるのです。
そのためにもまずは、
・立位体前屈の柔軟性
・楽にスムーズにしゃがみこめる柔軟性
は最低限獲得しておきましょう。
是非、「楽に介助できる土台となる身体づくり」に取り組んでみてください。
腰痛の有無にかかわらず、
「カラダづかいをしっかりと変えていきたい!」
という方は是非下記までご連絡くださいね。
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滋賀県大津市石山のリハビリ整体院
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カラダデザインラボ
堤 和也