カラダと姿勢・動きのトータルケアスタジオ カラダ Design Lab.®︎

新体操:手具を持つと腕が上がらない?! 〜肩の柔軟性と使い方〜

先日、

「肩は柔らかく、可動性も高いのに、手具を持つと十分に腕が上がらなくなる」

という新体操の選手がお越しくださいました。

柔軟性が足りないと思い、自分でストレッチを継続するもなかなか改善されてこず…

カラダ Design Lab.にて、動きの質を変えるためのトレーニングに取り組むだけで、その場ですぐ、簡単に手具を持ちながらでも腕は高く上がるようになったのですが、

なぜそのようなことが起こるのでしょうか。

今日は肩甲骨の動きと腕の挙げ方について考えてみたいと思います。

腕を挙げるときに肩甲骨が必ず動く

「腕を挙げる」というときに肩甲骨が動いていることをご存知ですか?

肩甲骨とは背中から見た際にこのような位置にあります。
(わかりやすくするために意図的に右の肩甲骨を浮かび上がらせています)

腕を下げた状態と挙げた状態と比較するとこれだけ大きく肩甲骨が動くのです。

肩甲骨の動きにも良いパターンと悪いパターンがある

さて何が違うのでしょうか?

悪いパターンは腕の可動域を制限する

良くないパターンの動きでは肩が上がります

このような腕の上げ方をしていると、肩甲骨の動きが阻害されるので、本来上がるはずのところまで腕が上がりません。

良いパターンは腕の可動域を拡げる

良いパターンの動きでは逆に肩甲骨は下がり、脇下から前外側へ向かって回転するように大きく動きます。この動きは腕の動きと同方向ですので、腕の挙上できる可動性を拡げてくれます。

今回の選手の場合、

物を持たない場合であればこのように、良いパターンでの動きができても、
良いパターンでの動き質が低く、普段から腕を上手く使いこなせていないため、「物(手具)を持つ」という負荷が加わることで動きの癖が強く出てしまい、良くないパターンの動き(筋肉の活動)が引き出されてしまうのです。

前鋸筋が使えているかどうかが肝!

良いパターンの動きで必須の筋肉が「前鋸筋」という筋肉です。

前鋸筋が上手く働くと、肩甲骨を引き下げながら、下方から外側へ回転するように動きを誘導します。

逆に良くない動きのパターンでは、肩甲挙筋や僧帽筋(上部線維)が過剰に活動し、この前鋸筋の動きを妨げてしまうのです。

この良くないパターンの筋を抑制しつつ、前鋸筋を働かせるようにトレーニングを組み立てます。

『前鋸筋』と『脇』を使えるようにするためのエクササイズ例

では前鋸筋をしっかりと働かせるために実際に実施したエクササイズを簡単にご紹介しましょう。

【脇から腕を伸ばす】

脇の部分から二の腕の下側、前腕の小指側、小指・薬指をさすり意識を高めます。

この脇の下から小指・薬指に向かって腕が伸びるようにイメージし、「前ならえ」の姿勢をとりましょう。(片手ずつでもOKです)

このまま、小指・薬指の指先をさらに5cm程度遠くに伸ばします。

肘を曲げないように注意しながら、突き出す/戻すを繰り返します。

【脇を意識して、上肢の上げ下げ】

脇から腕を伸ばすような意識を保ちながら、適度な重りを持って、脇を開く/閉じる動きを繰り返します。

【立甲】

少し難しいので方法の詳細は省きますが、脇を締め続けていないとこの動きはできません。

すると腕が上がるように!

beforeの写真を撮り忘れてしまったので、前後での比較ができないのですが、物を持つと180°程度までしか上がらなかったのが、右も左も楽に、スムーズにここまで上がるようになりました

同じようなお悩みでお困りの方は是非参考にしてみてくださいね♪

カラダと姿勢・動きをデザインする。
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也

@滋賀県大津市石山

自分自身で十分に対処できない場合は是非、パーソナルトレーニングもどうぞ。

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