運動が苦手な子どもにとって必要なものとは?

2021年9月27日 カテゴリー:"スポーツ","子どもの発育",カラダと動きづくり教室 記事執筆者:堤 和也



こんにちは。
カラダ Design Lab.代表の堤和也です。


運動が苦手なお子様をお持ちの親御さんだと、
「うちの子はなぜ他の子と比べて足が遅いんだろう」などと色々考えてしまっていませんか?


我が家には3人子どもがいてそれぞれが三者三様なので、何が違うのだろうと日々考えてしまいます。


なんでも比較すれば良いというわけではありませんが、あまりにも差が目立って見えてしまうとどうしても気になるもの。


今回は、そんな『運動の器用・不器用』に関するお話です。

(子どもの運動発達にも、怪我や病気の後遺症に対するリハビリにも、スポーツのパフォーマンスアップにもつながるお話なので、ご興味のある方は是非とも読み進めてみてくださいね。)


※論文などのように専門家に向けて正確に記述することよりも、一般の方でも理解しやすくするために気軽に表現することを優先しております。一部要素の欠落や不正確な単語が出てくるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。



『運動が苦手』とはどういうことなのか?



『運動が苦手』の意味するものを要素に分解してみましょう。

表現はあまり良くないかも知れませんが、「運動が苦手」から連想される言葉として、

「鈍臭い」:まだるい。まがぬけている。

(Webilio辞書『鈍臭い』より)


「運動音痴」:運動に関する身体感覚が鈍く、機敏に運動できない様子などを意味する表現。運動能力のなさを、音感が鈍く調子の外れやすい「音痴」になぞらえた表現。略して「運痴」などとも言う。

(Webilio辞書『運動音痴』より)


などが主に挙げられますね。


運動の苦手さは、このふたつの言葉の意味からも見えてくるように、

①身体感覚の乏しさ
②瞬発力のなさ
③タイミングのずれ


の表れでもあります。

結果、運動の効率が悪くなってしまい、
走ろうと思っても本人のがんばっている感覚ほど身体が前に進んでいなかったり、
跳ぼうと思っても気持ちだけ上に向かって、身体は全然持ち上がっていなかったり、
ボールを投げようと思っても、力がうまく伝わっていなかったり、
といった状態になってしまうのです。


この運動効率悪化の原因を捉え修正していくために、この3つの要素をさらに分解しながら考えてみましょう。


『運動感覚』とは?


先程は『身体感覚』と表現されていましたが、この身体感覚でも身体運動時に知覚している感覚として『運動感覚』を取り出して考えてみます。


この運動感覚も身体内部の状態を知覚するものと、身体外部の環境との関係性を知覚するものの2つに大きく分けることができます。

身体内部の状態を知覚するものとして、

①関節がどのような状態になっているのか?どのような方向に動いているのか?(関節覚・運動覚)
②筋肉がどのような収縮状態にあるのか?(力覚)
③身体各部位はどのような位置関係にあるのか?(位置覚)


などが挙げられ、

身体外部の状態と身体との関係性を知覚するものとして、

④自らの身体外部の環境がどのような状態であるのか?(視覚、空間知覚)
⑤直進運動、回転運動、運動の速度がどのように身体に働いているのか?(平衡感覚)
⑥頭部の水平は保たれているのか?(平衡感覚、視覚)
⑦触れているものはどのような質感を持っているのか?(表在感覚)
⑧一連の時間軸内でどのようなリズム、タイミングで動作が遂行されているのか?(時間感覚)


などが挙げられます。



身体運動として適切に表出されるためには、これら全てを適切に統合する必要がある。



運動が苦手な子どもたちは、今挙げた8つの感覚がバラバラになってしまっている状況があります。

特に動作の中で、重力を知覚すること重力によって生じる地面からの反力(床反力)を知覚すること、そしてこの2つの力を身体内部で適切に受け止め、効率的な姿勢制御・運動制御に繋げることが苦手なことが多く見受けられます。
同時に「3次元空間において自己と空間の相対的位置関係を把握すること(空間認知)」が苦手なのも特徴です。


◎ 重力を知覚し、この重力に対して最低限の労力で姿勢を保持することによって、適切な姿勢が身につき、

地面からの反力をうまく身体に伝えることによって、歩行・走行時の推進力を効率よく生み出すことができ、

◎ 自己と空間の相対的位置関係を的確に把握することによって、3次元空間内で力のベクトルをどのような方向に作用させれば良いのかが分かり

結果、効率の良い動きを引き出す土台を作り上げることができます。


(※カラダ Design Lab.では、姿勢の調整能力は運動能力の一つと現れとして捉えています。)


しかし、身体感覚が乏しい状態では、外部環境に適切に対応できず、効率の良い動きの土台が崩れます。
このような状態で闇雲に運動をしたり、トレーニングによって筋力や瞬発力だけを身につけようと思っても、徒労に終わるのは火を見るよりも明らか。

なので真っ先に取り組むべきことは、『運動感覚を研ぎ澄ますこと』

少なくとも、先程挙げた8つの運動感覚を敏感に感じ取りながら効率よく動ける状態を作り上げましょう。
『筋力』『瞬発力』『動きのタイミング』を身につけるのはそれからです。



『筋力』と『瞬発力』と『動きのタイミング』



最近は24時間営業のフィットネスジムが増え、ウェイトトレーニングに取り組む方も多くおられますが、『身体の使い方』を考えたときに、ボディビルディング的な個々の筋肉が発揮するパワーや筋肉のボリュームなどは二の次であまり重要視する要素ではありません。

カラダ Design Lab.でトレーニングを実施する上では、
個々の筋肉の『筋力』よりも、全身運動として『いかに効率よく対象物に力を伝達できるか』を鍵に、その結果生み出される『一つの動作としてのパワー』に重きを置きます。

この『一つの動作としてのパワー』を強めることが瞬発力を高めるための重要な要素なのです。

どれだけ個々の筋力が高くても、全体として動きが適切に統合されておらず、無駄な力ばかり発揮してしまっていては瞬発力を高められないばかりか、怪我の原因にもなってしまいかねません。


『動きの効率の良さとはどういうものか』という言語的、身体感覚的理解をベースに、
目的とする動作に合わせて全身的な筋収縮を一瞬のうちに同時に引き出すことができれば、同時に瞬発力も高めやすくなります。


あとは一連の運動の流れの中で、この瞬発力をどのようなタイミングで引き出すべきかを理解し運動として表出できるようになれば、機敏な動作も可能となってくるのです。



子どもの運動発達も、
怪我や病気の後遺症に対するリハビリも、
スポーツのパフォーマンスアップも、
運動の難易度の差はあれども基本的な考え方は全て同じです。


カラダと同時に脳を鍛え、運動に対するインテリジェンスを高めることによって、最終的に表出される動きをデザインしていくのです。

このような流れの中で適切に運動に取り組むことができれば、着実に不器用な動きが変化していきますよ。
お試しあれ♪


カラダと姿勢・動きのトータルケアスタジオ
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也

@滋賀県大津市瀬田駅前