カラダ Design Lab.では、上肢・体幹機能を高めるために、
『立甲』
を指導することがよくあります。
その「立甲」がなぜ身体機能を高めうるのか、
四つ足動物から二足歩行へと進化した背景から簡単に考察してみましょう。
酷似した上肢の骨格構造
今回着目してみたい上肢(前肢)の骨格構造。
左:コウガゾウ の復元骨格
右上:タヌキ の骨格標本
右下:イヌ の骨格標本
上:ヒトの骨格
肩甲骨、上腕骨、前腕の骨(橈骨・尺骨)
は、形状に若干の差はあるものの、構造的にはほぼ一緒。
大きく異なるのは、肩甲骨と上腕骨との位置関係。
四足動物では、
肩甲骨の受け皿(臼蓋)が真下を向き、上腕骨に繋がる。
対してヒトでは、
肩甲骨の受け皿に対して、上腕骨はぶら下がったような状態。
腕を肩からぶら下げてばかりで、手で身体を支えることを忘れた我々大人は、
この四足動物ような腕づかいがうまく出来ない方が大多数です。
ちなみに、ヒトでこのような四足動物と同じ腕の支え方をしたものが『立甲』。
実際にヒトでこのような腕づかいができると、
肩甲骨が背中にべちゃっと引っ付いた状態から、肩甲骨の内側縁が大きく浮かび上がり、
背中に羽が生えるように肩甲骨が立ち上がります。
長胸神経麻痺などで出現する翼状肩甲とは異なり、主に前鋸筋という筋肉でコントロールされた立甲という状態。
肩甲骨が自由に操れて腕の操作性が高まるだけでなく、
胸郭の柔軟性、体幹機能を高めてハイパフォーマンスな身体をつくりあげます。
赤ちゃんは立甲ができている!?
実は赤ちゃんはこれに近いような動きが自然とできているのです。
赤ちゃんの時には移動能力として必須だったハイハイも、
二足歩行での移動が当たり前になってから実施すると腕の使い方をより良く変えるためのトレーニングになりますよ。
肩こりの解消にも効果的な立甲
肩甲骨を浮かび上がらせられるような腕の支え方ができ、
それを自在に操れるようになればベストですが、
まずは肩甲骨が浮かなくてもいいのでハイハイから始めてみましょ♪
カラダと姿勢・動きをデザインする。
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也
@滋賀県大津市石山・瀬田