成長期の痛みを『成長痛』と放置してはいけない。

2020年6月27日 カテゴリー:"スポーツ","子どもの発育",オスグッドシュラッター病 記事執筆者:堤 和也



子どもが急激に大きく成長する『成長期』

この成長期に痛みが出現すると、『成長痛』として仕方がないものと考えて放置してしまいがちですが、その痛みは本当に成長痛なのでしょうか?


そもそも成長痛とは何なのか?

成長痛でなければ何が原因となっている可能性があるのか?

一緒に考えてみましょう!



成長痛とは?



”幼時期から学童期の小児において膝周辺から下腿を中心とした部位に夜間激しい疼痛を訴えるが日中はほとんど症状が出現しない状態に対して, いわゆる成長痛という診断名が使われている。 growing pains という診断名もあり,確かにその診断名は存在するが病気として存在するのかどうかは未解決となっている。本疾患は器質的異常がみられない原因不明の疾患とされており,症状は長期化しても数年間で自然寛解し後遺障害はみられないが,類似の症状を呈する器質的疾患との鑑別が重要となる。”1)

“成長痛という名称は固有の疾患単位を示しているわけではなく,痛みが成長期のみに起こるという観点に基づく便宜的な使用が許容されている”1)。


というように言われていますが、生理的な骨成長に伴う疼痛はないことから、成長痛という呼称が不適切であるとの指摘は従来から多くなされています。


そのため、痛みの原因を成長期の仕方ないものと放置するのではなく適切に鑑別し、その対処法を考えることが必要となります。



成長痛でなければ何が痛みを引き起こしているのか?



成長期に痛みを引き起こしやすい疾患としてオスグッド・シュラッター病、シンスプリント、シーバー病など他にも様々なものがあげられますが、あらゆる痛み全てに診断名がついているわけではありません。


運動やスポーツを行う中で出現する痛みでに、どのような原因が考えられるのか、まず下の図をご覧ください。





身体の動きに必要な関節の構造を書き出してみました。

これらの組織がそれぞれ独立しつつ、連動しあいながら関節をスムーズに動かしているのですが、身体全身をうまく使いこなせていないと一部分に負担がかかるような状態になり、その動きをつかさどる筋肉が過剰に収縮するような状態が続くことによって、俗に言う”コリ”を引き起こします。

一時的なコリであれば問題ないのですが、そのコリが解消されず、同じ負担を蓄積し続けていると”コリ”以外にも、本来独立して存在すべき各組織同士がくっついてしまう”癒着”という問題を引き起こします。この癒着が存在すると、筋や関節の動きが鈍くなり、様々な動きに支障をきたし始めるのです。



癒着を引き起こしやすい部分がこの青い星の部分。




この癒着が筋の周囲に存在すると、筋はうまく収縮できないだけでなく、スムーズに伸びなくなってしまいます。
つまり、力を発揮しにくくなると同時に、柔軟性も低下してしまうことになるのです。

そのような状態で運動を続けることによって、筋肉がつながる『腱』や『腱が付着する部分の骨(骨膜)』に負担がかかりやすくなり、以下の黄色い星の部位に痛みを出現させやすくなります。




これらの部位は骨にも近いことから、骨から出現する痛みと捉えられやすく、成長期と重なると成長痛と認識されて適切な対処がおろそかとなる場合が多くあるのです。


成長期の骨の問題の前に、筋肉が引き起こす問題を考えよう!




成長期、特にスポーツを積極的に実施している時期にこのような痛みが出現する場合には、

筋肉に過剰な負担がかかっている


という可能性をまず考えるべきです。



ただし、この筋肉に過剰な負担がかかっている状態とは、運動や筋トレなどによって単に全身的な負担がかかっているというよりは、

動きの癖によって一部分の関節、ある特定の筋肉を使いすぎるような状態に陥ってしまっている


と考えたほうが良いかと思います。



そのように考えると、
スポーツをしていなくて、運動として特に大きな負担がかかっているとは思えないような状態であったとしても、スポーツをしている同世代の子ども達と同じような痛みが出現している場合には、

日常生活レベルの動きの中でも同じような負担がかかっているかもしれない

と疑ってかかったほうが良いかもしれません。




Faciaに対するアプローチが非常に有効



先日、成長痛かもしれないとお悩みの方がお越しくださいましたが、まさに上記のような状態で、ふくらはぎから先の部分での癒着が非常に強く、セルライトも発生しているような状態で、かかとの骨に痛みが出現するような状況に陥ってしまっていました。


こちらの方には、徒手的な施術を通して癒着を全体的にリリースした上で、セルフケアの方法として『コンプレフロス』の使用をお勧めしました。





すると今まであった痛みが消失し、痛みでうまく行えなかったような動き、特にジャンプ系の動作ができるようになり、当日予定していたジャンプトレーニングも無事行えました。



何が原因で痛みが生じているのか、どうすれば痛みが消失するのかは、専門家であっても原因の特定がなかなか難しいものではありますが、その痛みの原因に今回お伝えした、

・動きの癖の問題
・筋肉への過負荷の問題
・Faciaの癒着の問題


などが影響している可能性を頭の片隅に入れておいていただけると良いかと思います。


カラダと姿勢・動きのトータルケアスタジオ
カラダ Design Lab.
カラダデザインラボ
堤 和也

@滋賀県大津市瀬田駅前




<引用文献>
1)日下部浩:整形外科疾患 ―いわゆる成長痛との鑑別を中心に.小児内科,50(7),2018



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